2016年5月30日月曜日

【マインドフルネス 実践の紹介】呼吸を用いた実践

呼吸を用いた実践をご紹介します:

意識的な呼吸をする
【引用した本の情報】
題名  : あなたに平和が訪れる禅的生活のすすめ
著者  : ティク・ナット・ハン
訳者  : 塩原通緒
出版社 : アスペクト
発行年 : 2005年
http://www.aspect.jp/isbn/?k=4-7572-1117-1
引用部分: 29ページ~30ページを参考に一部改変


【どんなことか?】
意識的な呼吸とは、息を吸った時に自分の体内に空気が入ってくるのを認識し、息を吐いたときに自分の体内から空気が出ていくのを認識することです。

自分の体と空気との接触に意識が向けられた瞬間、私たちは自分の意識とも接触し、それがどういう状態にあるかを知ります。

意識的な呼吸を一回するだけで、自分自身にも、自分の周囲の世界にも触れられます。
そうした意識的な呼吸を繰り返すたびに、心身に安らぎが戻ってきます。


【具体的に何をするのか?】
意識的な呼吸を実践するために、まずは自分の呼吸の自然なリズムをつかみましょう。
無理に呼吸を長くしたり深めたりせず、ふつうに息をしてみてください。
自分の息に注意を払うと、やがて自然と呼吸が深くなります。

ときどき意識が離れそうになったらそれを見落とさず、そっと意識を呼吸に戻してください。


下記の手順に従って、注意がそがれないようにしてもいいでしょう。
何度か呼吸を繰り返すあいだ、最初から最後まで自分の息に注意を払います。
各項の最後のキーワードを使って注意を持続させましょう。
 

①息を吸って、吸った息だけを意識する。息を吐いて、吐いた息だけを意識する。
……吸って吐いて
②息を吸って、吸う息が深くなるのを意識する。息を吐いて、吐く息が深くなるのを意識する。
……深く深く
③息を吸って、吸う息がゆっくりになるのを意識する。息を吐いて、吐く息がゆっくりになるのを意識する。
……ゆっくりゆっくり


意識的な呼吸はいつでもどこでも実践できます。
座ったままでも、横たわったままでも、立ったままでも、あるいは自動車を運転しながらでも、仕事をしながらでも実践できます。

意識的な呼吸によって、どんなときにも自分のしていることに意識的になり、より集中できるようになります。

2016年5月9日月曜日

【マインドフルネス 本の紹介】“親と子どものためのマインドフルネス” 

【本の情報】
題名  : 親と子どものためのマインドフルネス
著者  : エリーン・スネル
訳者  : 出村佳子
出版社 : サンガ
発行年 : 2015年
http://www.samgha-ec.com/SHOP/300250.html

【どんな本か】
子どもとおとなが一緒に楽しみながらマインドフルネスを生活の中で実践していくアイデアが、豊富に紹介されています。

【この本を紹介するねらいは…】
ここでは、子どもや子育て中のおとなだけにお薦めする、というのではなく、すべての人々にとってのマインドフルネスへの“入り口”として、この本をご紹介したいと思います。

イメージが浮かぶようなやさしく柔らかいことばや、遊び心あふれるエクササイズなど、マインドフルネスに気軽にふれられる一冊です。


【読みかた・使いかたについての提案】
本を読む時間がないとき・読むのが苦手なかたは…
エクササイズのための音声ガイドCDが付いているので、それを聴きながら、実践してみることが可能です(CDの使いかたは… 41ページ に書かれています)。

収録内容は…
01 静かにすわろう 基本のメディテーション
02 子どものカエル 基本のメディテーション
03 呼吸に気づこう 注意をおなかに向ける
04 スパゲッティ・テスト からだのリラックス
05 ストップ・ボタン 自動的な反応をやめる
06 いやな気持ちの手あて
07 安全な場所 ビジュアライゼーション
08 悩みのベルトコンベア 思考や悩みが止まらないとき
09 思いやり
10 こころの部屋の宝物
11 ゆっくりおやすみ
(エクササイズの名前からも、この本にあふれる”楽しむ気持ち”が伝わってくるように思います。)


【印象に残ったことばの引用】
冒頭に、著者エリーン・スネルさんご自身の子育てにまつわる、印象的なエピソードが紹介されています。お嬢さんが5才のころ、なかなか寝つけなかったある晩のできごとです:

(“1 マインドフルネスってなに?” 32~33ページより)
娘はあたまのなかでいろいろなことを考えつづけ、なかなか眠れなかったのです。
もう遊んでくれないティムのこと、…

(中略)

しばらくたってから、ふと気づきました。

次から次へとあたまに浮かんでくるわずらわしい考えに注目するのをやめ、あたまからおなかへゆっくり意識を移していけば、もしかするとそのうちこころが落ち着くのではないかしら、と。

そこで、娘に、あたまからおなかへ意識をゆっくり移していくように言いました。

おなかには、考えがありません。息が出たり入ったりしているだけです。息がそっとおなかをふくらませ、そっとへこませています。静かに、おだやかに動いています。このゆったりとした動きが、娘を落ち着かせ、眠りにつかせていったのです。


これから先、また機会をあらためて、新しい投稿で、この本のところどころに散りばめられた、遊び心にみちたエクササイズをご紹介できれば、と考えています。